2009年12月9日水曜日

2009年12月11日の読書会のお知らせ

2009年12月11日の読書会のお知らせ

【日時】12月11日(金)18:30~

【場所】キャンパスプラザB312(部室)

【テキスト】『空想から科学へ』(著者:F.エンゲルス)

【内容】『空想から科学へ』の以下の章を扱います。
▽第2章(討論のみ行います)
▽第3章(報告を受けて討論します)

※各自で本を入手の上、当日までに該当箇所を読んできて下さい。
※入手する本は、どの出版社のものでも構いません(岩波文庫版、新日本出版社版、国民文庫版などがあります)。

                                            【以上】

2009年11月28日土曜日

2009年12月4日の読書会のお誘い

東京大学現代社会研究会の読者会のお知らせ

【日時】12月4日(金)18:30~

【場所】キャンパスプラザB312(部室)

【テキスト】『空想から科学へ』(著者=エンゲルス)

第1章(「空想的社会主義」)+第2章(「弁証法的唯物論」)。

※テキストは、どの出版社のものでも構いません(岩波文庫版、新日本出版社版、国民文庫版等)。

※テキストの序文のうち、1892年の英語版の序文については、最終回で扱う予定。

「マルクスのよき協同者であったエンゲルス(1820~95)の大著『反ディーリング論』から3章を抜粋して編まれた小冊本。19世紀の空想的社会主義の紹介と批判、弁証法的唯物論の成立の歴史、資本主義の発達のうちに科学的社会主義が到来する必然性がやさしく説かれる。発表当時から社会主義理論の入門書として最も多く読まれている。」(岩波文庫版より)

2009年11月19日木曜日

2009年駒場祭の企画のお誘い

改憲問題×政権交代
   ―弁護士がみる日本の今日(きょう)と明日(あす)、そして未来―

【講演者】坂本 修(さかもと おさむ)さん(弁護士)
1932年秋田県能代市生まれ。1959年弁護士となる。メーデー事件、三井三池争議、日立製作所思想差別解雇事件、芝信用金庫女性昇格差別事件、NTT11万人リストラ「合理化」配転事件など多数の事件を担当。2003年10月より2006年10月まで自由法曹団団長。憲法問題での講演活動で全国を行脚。

【日時】11月23日(月・祝)(駒場祭3日目)午後2時~

【場所】11号館1101教室 にて開催

【主な内容】
<国民投票法>
2007年5月、参議院で国民投票法が可決され、2010年5月に施行される見通しになりました。この法律は、問題点が多く含まれているとの指摘がある法律です。また、この法案の多くの部分は、改憲派である自民党、公明党と民主党の協議によって作られました。この法律の問題点とは何なのか、自公両党と民主党の狙いは何なのか、この時期に成立した意味は何なのか。

<改憲問題>
日本国憲法第9条には、一切の軍事力の保持の禁止が明記されています。反面、自衛隊が存在しています。北朝鮮や、ソマリア沖の海賊、中国の軍備拡張などの脅威の増大、あるいはアフガニスタンなど海外での平和維持活動への国際的な期待に対応するため、今、国会の場において、憲法9条の改定が議論されています。その一方で、憲法9条を守り、自衛隊を解体すべきだという人もいます。改憲派である自民党や民主党が持つ大多数の議席や、国民投票法(上記参照)の成立を背景に、憲法改定の国民投票の実施が現実味を帯びてきました。その時、私たちは1票を賛成反対のどちらに入れるべきなのか。

<衆議院の比例定数削減>
民主党のマニフェストの中に、比例定数の削減が明記されています。現在、衆議院の総選挙における議席の定数は、比例区180、小選挙区300ですが、民主党政権は比例区の定数を100にまで削減しようとしています。国会議員の削減による国会経費削減を民主党は理由に挙げていますが、単純な比例定数の削減は、少数政党の議席の消滅をもたらす可能性があります。また、死票が多く民意が反映されにくい小選挙区の比重が増加することにより、一票の格差の拡大が懸念されます。―――私たちの1票は、きちんと政治に反映されるべきではないでしょうか。

(以上、現社研のビラより引用)

2009年11月7日土曜日

11月6日(金曜日)の学習会を終えて

衆議院の比例定数削減はなにを意味するのか?

 当日は、弁護士の坂本修氏著の『衆議院 比例定数削減とは何か』(新協出版社)の学習会をおこなった。発行が2009年10月24日であり、政権交代後の動向を見据えるうえで、時機を得たブックレットである。

 現在、政権についた民主党は、衆議院の比例代表定数を現在の480議席から80議席を減らそうと考えている。

 しかし、坂本氏は「〔比例定数削減した場合〕、今回の各党の比例での得票率で推計すれば『二大政党』が69%前後の得票で92%前後の議席を独占、その他の党は合計得票率31%前後で議席占有率はわずかに8%、日本共産党は4議席、社民党は比例ではゼロ」となるだろうと予測する。

 つまり、比例定数を削減すればするほど、「死票の山」がどんどん増えるわけである。

 坂本氏の言葉を借りれば、「虚構の多数」議席と「虚構の少数」議席の出現という事態となる。たとえば、スウェーデン型の完全比例代表制を参考にすれば、

★「虚構の議席数」の場合(今回の総選挙の結果) 
民主党308/自民党119/公明党21/共産党9/社民党7/みんな5/国民新党3 

★「本来の議席数」の場合(完全比例代表制・スウェーデン型)
民主党204/自民党128/公明党55/共産党34/社民党21/みんな21/国民新党8

 という数字が弾きだされるという。

 以上の結果から、比例定数を削減することは、「民意と議席の“ねじれ”」が生じることを意味する。そればかりではない。憲法上の問題も生じる。すなわち、「基本的人権である平等な参政権(投票権)の重大な侵害」である。「前文」にもある憲法の三大原理のひとつである「基本的人権」は大きく四つに分かれる。そのなかのひとつに「参政権」がある(そのほかは、国務請求権・社会権・自由権)。

 いうまでもなく、「参政権」とは、国民の国政に参加する権利をいう。選挙権、被選挙権、国民投票や国民審査で投票する権利などを指し、憲法第15条と、「前文」の「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」と、明記されている。坂本氏は上述の「本来の議席数」こそが、憲法前文の精神と憲法15条に則(のっと)ったものだといえる。

 しかし、「比例定数を削減したら、一票の価値の格差はさらに極端になってしまうことは必至である。このことは、基本的人権の重大な侵害があり、憲法と民主主義に反する市民的常識からいってもあまりにも不公正かつ不合理である」との指弾する。

 かつて、衆議院選挙制度は1947年以来、一選挙区定数3~5の中選挙区の、坂本氏がいうところの「準比例代表制」であった。しかし、15年前に選挙法が改正された。当時、「改正」派は、「カネのかからない政治のための改革」・「政権交代で国民の意思が反映する政治」などのスローガンを掲げ、小選挙区250、比例250の並立制で、比例で少数政党支持など多様な民意を反映できる制度だとして提案し、「非自民」の細川護煕内閣の高支持率という背景にして、マスコミを全面的に取りこんで、その批判者を「守旧派」とする大キャンペーンを展開したうえで、「改正」を成し遂げようとした。一言で言えば、選挙制度の改正が、金権腐敗政治がなくなる「決め手」だとされたのである。

 たしかに、3議席の中選挙区の場合には、自民党2議席/社会党1議席と想定した場合、その2議席を巡って、自民党候補同士の熾烈なバラマキ選挙がおこなわれて、自民党内の派閥争いが生じていたからという事情もあった。しかし、それは単に自民党内の事情である。政治資金の規制をおこなえば済むことである。

 坂本氏は、「〔当時は、〕政治腐敗防止のための『政治改革』賛成は、50%を超えていましたが、選挙制度を変える(変えた方がいい)とするのは2割に達しなかった」と指摘する。しかし、現実には、「金権腐敗政治からの脱却」がいつの間にか「選挙制度の改革」へとすりかわってしまった。

 そこで、細川護煕内閣の与党であった社会党の参議院議員の一部(17名が反対、ほかに欠席・棄権3名)が反造することとなる。つまり、1994年1月21日、参議院で12票差で否決参議院では12票差で政治改革関連四法案は否決されたのである。しかし、そこで、坂本氏のいう「ルール違反のドンデン返し」がおきる。細川護煕首相・河野洋平自民党総裁によるトップ会談が行われ、「密室談合」での「総・総協定」が成立し、議会制民主主義のルールに反する違憲、違法のやり方であった。坂本氏はこれを「“立法クーデター”というべき暴挙」と名づける。
 
 ならば、坂本氏はどのような選挙制度が好ましいと考えているのか。坂本氏は「国民にとって、不幸な状態をただすにためには、憲法に反し、議会制民主主義に反する現行の小選挙区制を民意を可能な限り正しく反映する制度に改善すべきなのです。それこそが国民のための眞の政治改革であり、憲法をこの国に活かすことなのです」と述べる。具体的な例を挙げれば、「①11ブロック単位比例体表制)②政党助成金制度の廃止・企業献金の禁止。ただし、ブロック別ではない完全比例代表制、定数格差是正をきちんとしたうえでの5議席前後の中選挙区制もありうる」としている。
 
 また、「政党助成法」にも批判の目を向ける。すなわち、政党助成金の正体を、「政党『劣化』の麻薬」だと坂本氏は喝破する。現在、約320億円の「カネ」が政党助成金として、日本共産党を除く各政党に流し込まれている(内訳は、2007年度で自民党約157億円、民主党118億円、公明党27億円、社民党9億円)。

 坂本氏はいう。「有権者、つまり国民から離れて、カネを国から渡されて生きている政党は、政党本来の役割を果たす基礎的な『体力』や“志”を失い、その行き着く先が『国定政党』・『国策政党』になる危険がある」。それは、「政党は、主権者である国民のさまざまな要求・権利の実現をめざして、その目的実現のために自由に組織し、国民とともに自由闊達に活動できる存在でなければならない」。具体的には、「結社の自由」(憲法第二一条第一項)にも関連してくる事柄でもある。

 さらに、財界の影響力にも目を向ける必要がある。つまり、温存された企業献金の存在である。政治資金規正法の「改正」も、「個人の献金はダメだけれども、政党本部や政党支部ならよい」というものであり、「制度設計そのものが尻抜け」だと坂本氏は指摘する。 

 このことは、「カネ」で政党を操るということを意味している。詳しくは、日本経団連「わが国の基本問題を考える ~これからの日本を展望して~」(当ブログの10月22日付の書き込みをお読みください)を参照されたいが、財界は憲法第九条第2項と第96条(憲法の改正)の改正を明確に主張している。

 坂本氏によると、「労働のルールを破壊し、大もうけをし、その一方で特権的減税をさせて手に入れた『カネ』で政治を操る。07年度の財界大企業の自民党への『表』の献金は29億円、民主党へのそれは8300万円」である。そのような事態は、日本経団連の、改憲に向けた提言から鑑みれば、まさしく「カネ」で「憲法を買う」ことを意味するのではないだろうか。
                                       【文責:飯島】

2009年11月1日日曜日

2009年11月6日(金曜日)の学習会のお知らせ

★日時11月6日(金)18:30~

★場所キャンパスプラザB312(部室)

★内容『衆議院 比例定数削減とは何か ―あなたの一票が生きる時代に』(坂本修著 2009年10月24日)をテキストに使用した学習会

★使用テキストについて(目次)
(1)比例定数削減の実態とその重大な結果ー事実にもとづく検証
(2)現行選挙区制の15年ー民意の歪曲、民意の切り捨て
(3)(改憲)策動が動き出す危険を直視する
(4)展望をどこにみるかー私たちは勝利できる
(5)私たちで決めよう

★アピール(文責:飯島)
 15年前に、中選挙区制から現行の小選挙区・比例代併立制へと選挙制度がかわりました。「比例での復活当選はおかしい」と思っている人もいるかもしれませんが、大量の「死票」を生み出す小選挙区制にそもそもの問題があると考えます。民主党は、衆議院の総定数(480議席)のうち、比例代表を80議席減らして、総定数を400議席にしようとしています。そうなった場合、小規模な政党は軒並み議席を減らし、「少数意見の尊重」が守られなくなります。まさに民意の切捨てだと考えます。この問題点を参加者みんなで議論したいと思います。わたしたち現代社会研究会は、インカレのサークルです。比例定数削減賛成派の方もぜひ議論に加わっていただければありがたいです。

2009年10月30日の学習会の報告

 「憲法改正国民投票法」が来年5月18日から施行される。このことを踏まえて、ブックレット『国民投票法=改憲手続法案の「カラクリ」』(自由法曹団編)をテキストにして、学習会を行った。

 発表者のレジュメはコンパクトにまとまっており、資料なども豊富で、前回と同様に活発な議論が展開された。そのすべてをここで述べるだけの余裕はない。

 そこで、「国民投票法」(「改憲手続法案」の問題点のみに焦点を当てたい。現行の「国民投票法」は、安倍晋三内閣の2007年5月14日に、それまで水面下(あるいは国会審議)でおこなわれていた、与党と民主党との修正協議を与党が文字通り振り切り、強行採決したものである。採用したテキストを使って
、この法案の「カラクリ」を見定めたい。
 
 第一に、「投票総数」の「過半数」の意味について問題がある。与党案に従えば、次のとおりとなる。投票率40%の場合(うち白票・無効票10%)、有権者総数×0.4(投票率)×0.9(有効投票率)×0.5(過半数)=0.18で、有権者の18%の賛成票で改憲可能となる。投票率60%の場合(うち白票・無効票10%)、有権者総数×0.6(投票率)×0.9(有効投票率)×0.5(過半数)=0.27で、有権者の27%の賛成票で改憲可能となる。つまり、国民全体からみれば「少数の賛成で改憲」が可能となる。

 強行採決された与党案(自民党+公明党案 以下「与党案」)では、「投票総数」とは「賛成票+反対票」とするとしているが、これは有効投票数の「言葉の言い換え」で明らかな詭弁である。しかも、最低投票率は「一致して拒否」し、「少数の賛成で改憲」の危険は変わらない。多数の意思でのみ改正ができる硬性憲法の意味を没却している。

 第二に、「地位利用による国民投票運動の制限」と「公務員の政治的行為の禁止」である。与党案では、当初明記されていた「政治的行為の制限削除」を「制限あり」に復活した。組合活動を含む組織的行為への規制を引出す危険が大。「地位利用」の罰則は確かになくなったが、禁止規定は生きているから行政処分の対象とはなり得る。「行政処分」とは、具体的には懲戒解雇などである。それだけに威嚇的効果は大と考えられる。

 第三に、「政党等による放送、新聞広告」については「広報協議会」(各議院の議員から委員を10名ずつ選任)が設置されるとするが、その構成員が問題となる。確かに、「会派(政党)比例」から「賛否平等」に変更されたが、政党以外の団体には直接は認めていない。政党の広告が「広報協議会」を行う広報に組み込まれ、全体が「改憲案を啓蒙宣伝する改憲キャンペーン」とされる危険は否定できない。

 第四に、「国民投票運動のための広告放送」では、当初の与党案では投票日の「7日前」から投票日まで、テレビ・ラジオによる広告放送の禁止とされていたが、「14日間」に変更された。しかし、「カネで憲法を動かす」危険性には変わりはない。

 学習会では、この法案のその他の問題点についても議論となったが、紙幅の関係で述べない。
 
 現状では「国民投票法」を強行採決で成立させた安倍内閣は退陣し、さらに、政権交代が起きている。「憲法改正」の動きは遠のいていると考える方もいるだろう。だが、来年の5月18日には「与党案」が施行される現実は変わらない。引き続き、「憲法改正」の動向を追究していきたいと考える。

(文責:飯島)

2009年10月24日土曜日

2009年10月30日(金曜日)の学習会のお知らせ

★場所:キャンパスプラザB312(部室)

★内容:『国民投票法=改憲手続法の「カラクリ」』の読書会
(学習の友ブックレット15/編者=自由法曹団/発行=学習の友社 2006年)の第1部(41ページまで)。

※各自で本を入手の上、当日までに読んできて下さい。

※わたしたち東大現代社会研究会は「インカレサークル」です。他大学の学生もぜひ気軽に遊びにきてください。お待ちしております。

~『国民投票法』(編者:自由法曹団)の書評(文責:飯島)~

 国民投票法推進派の今井一氏は、憲法改正の国民投票が実施されたあかつきには、「『憲法九条・国民投票』をきっかけに、居酒屋談義のみならず、職場や学校、家庭でも多くの人が戦争・防衛について当たり前のように自分の意見を述べ人の意見を聞くようになった。そして議論が弾む」ようになるという(今井一著『「憲法九条」国民投票』)。

 しかし、本当にそうなるだろうか。自民・公明の与党案はそのような夢想を吹き飛ばす内容だ。例えば、公務員、教育者に対し「地位利用による国民投票運動を禁止」している。仮に「違反」だと認定されれば、公務員は二年以下の禁錮又は三〇万円以下の罰金(教育者は一年以下の禁錮)に処せられる。改憲について話すこと、行動することのすべてが「運動」だとみなされ、「地位利用」かどうかも権力の認定でどうにでも濫用される危険がつよい。対象人数は概算で五〇〇万人にものぼる。

もちろん、権力側も何百人もの逮捕という大量弾圧を考えているわけではない。要するに「萎縮効果」を狙って利用してくる可能性が高い。何十人かのしかるべき対象者を選んで、みせしめ的に弾圧する。そして規制の対象となる人びとの改憲反対運動を「萎縮」させるのだ。こればかりではない。権力側は法案に様々な「カラクリ」を用意周到に仕込んでいる。
 
 法案の問題点を簡潔にまとめたこのブックレットを通じて、自由闊達な議論が展開されるような国民投票のあるべき姿を考え直したい。
                               【以上 2006年執筆】

10月22日(木曜日)の学習会を終えて(飯島)

 前回は「わが国の基本問題を考える ~これからの日本を展望して~」日本経団連(2005年1月18日)の読書会をやりました。

 当日は、発表者のレジュメもコンパクトにまとまっていることもあり、活発な議論が交わされました。財界の「わが国の基本問題を考える」(以下「提言」)をテキストとして取り上げた理由は次のとおりです。後期課程に入ってから憲法学習会を続けていますが、そのテキストとして弁護士で自由法曹団の坂本修氏の著書『憲法 その真実』(学習の友社)を選んだからです。

 つまり、坂本氏曰く「現行憲法を侵害した三人の『主犯』」を挙げていますが、一つ目は、アメリカ、二つ目は自民党、そして三つ目が財界とされています。その三つ目の財界の言い分に焦点を絞って議論してみようということでした。わたし自身の感想としては、「提言」は、美辞麗句でオブラートされた、一見もっともだと思わせるところが、実は危険だと思いました。

 その核心は次のとおりでしょう。「提言」では、「当面、最も求められる改正は、現実との乖離が大きい第九条第二項(戦力の不保持)ならびに、今後の適切な改正のために必要な第九六条(憲法改正要件)の二点と考える」と明確に述べています。つまり、集団的自衛権の自由な行使と、いつでも自由に憲法を変えられるように「軟性憲法」すると。

 まず最初に第九六条改正をするとは、現行の「硬性憲法」を変えることであり、いわば「外堀」を埋めることを意味するでしょう。そのあとで、各条文を自由にじっくりと書き換えができる。その主だった改正は「国益」に適うものとして出されることでしょう。「提言」のなかでは「国益」という言葉が度々登場します。しかし、誰による誰のための「国益」なのかを考える必要があります。それは「国民益」なのか「企業益」なのか(わたし自身は「国民益」をも超える「益」を考える必要があると考えますが)。「国益」は、「提言」で謳う「国際平和」「国際協調」とぶつかり合う場合はないのでしょうか。

 実際、「提言」では「東アジアのエネルギー・環境政策における課題」の節のなかで「各国の急激な需用拡大に伴い、エネルギー問題は国益のぶつかり合」うと明言しています。その場合は「人類共通の問題であるという観点」が必要であると説きます。しかし、それは、結局、観念的なものに終始するものです。結局、「国益」を大義名分にして、集団的自衛権の発動になると思います。
 その集団的自衛権の行使については、第九条第二項の改正によって可能とされます。その行使を支える国民の在り様まで言及しています。前文に関してですが、「わが国の歴史、文化、伝統などの固有性、独自性を十分に踏まえた国家理念の提示」が必要だとしています。そして、ズバリ「国民の権利と義務」という節で、「無責任な利己主義が蔓延しつつある。また、個人自らが社会に対して主体的に関与し、『公(おおやけ)』を担う気概が失われている傾向もある」(その無責任な利己主義を蔓延させたのが、財界がすすめている新自由主義だと思うが)と述べています。
 
 「提言」では第一二条(国民に対する人権の保障)と第一三条(幸福追求権)の条文に登場する「公共の福祉」に注目し、従来までの「他人を害さない範囲で」という解釈を超えて、国民の「義務」の拡大を目指している。そのことが、「実態としては、例えば、国として必要な様々な公共プロジェクト推進に際して、私権との調整に手間取り、公共の利益の実現に支障をきたしている例もある」と語り、国民の「義務」の強要をほのめかしているように、わたしには読み取れます。
 
 最後に、先進各国では憲法改正が頻繁に行われているとされていますが、フランスの場合、行政機構や手続条文に限られている。しかし、財界もバックアップした自民党「新憲法草案」などでは、ここでは詳しく述べませんが、立憲主義そのものを放棄する内容です。憲法は、権力機関が権力を濫用して主権者である国民の権利を侵害することがないように監視するためのルール」(菅沼一郎・笠原健一『Q&A 国民投票法案』大月書店)だという点を再確認したいものです。

2009年10月17日土曜日

2009年10月22日(木)の学習会のお知らせ

日本国憲法学習会シリーズ・第三弾

日本経団連の改憲案などを精読

日時:2009年10月22日(木)18:30~

場所:キャンパスプラザB312(部室)

内容:日本経団連の文書「わが国の基本問題を考える~これからの日本を展望して~」をめぐる討議を行う。

※※上記文書の入手方法※※

▽日本経団連のウェブサイトのトップページhttp://www.keidanren.or.jp/indexj.html

 左側にある「政策提言/調査報告」をクリックすると、日付順に文書のタイトルが並んでいます。そのなかから、2005年の1月18日の「わが国の基本問題を考える~これからの日本を展望して~」をクリック。
 現れたページで、【本文】または「(PDF形式版はこちら)」のいずれかをクリックすると、文章が現れます。(PDF版の方がページ数が多くなると思いますが、各自で読みやすい方を選んで下さい)。

2007年12月11日火曜日

12月11日サークルミーティングのお知らせ

須藤です。
明日(というかもう今日ですが)に、サークルミーティングを行います。
皆さんぜひ、ご参加下さい♪

とき:12月11日(火)18:15~
ところ:キャンパスプラザB312(部室) にて
主な議題:
現代社会研究会の総会について

以上です。