2015年10月3日土曜日

次回の集まりは10月7日(水曜日)です

 次回の集まりの詳細は下記のとおりになります。興味がある方はどうぞご自由にお越しください(参加無料)。

【次回の集まりの詳細について】

日時:10月7日(水)19時00分から

場所:キャンパスプラザB312(TOSMOSの部室
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html

テーマ:ナガランド訪問報告―ーインド北東部の現状
 
報告者:TOSMOS会員

報告者による内容紹介:
 今夏インド北東部を旅行した部員による主にナガランド(コヒマ)の現状の報告です。日本ではインド旅行者にもあまり知られていないエリアで、長らく独立運動に伴う紛争により入域を制限されてきました。報道でも触れられることがないこの地域の現状はいかなるものかを、見てきたこと聞いてきたことを過去の歴史を踏まえて発表します。国際問題、少数民族問題に関心ある方また単に旅行好きの方も奮ってご参加下さい。

なお、今後の学習会等の際には適宜、終了後に駒場祭に向けた打ち合わせも行う予定です。)

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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 前回(927日)の集まりでは、インド・ネパール訪問報告会をおこないました。報告者の方、お疲れ様でした。現地で撮影した写真も盛りだくさんで、興味深い報告となりました。報告者は初めてのインド・ネパール旅行であり、カルチャー・ショックは相当なものだったようで、なかなか面白い「道中記」となりました。
 
  報告者は、インド入国直後にはいきなり日本に帰国したくなるような、日本の「ジョーシキ(常識)」が通用しない世界に放り込まれたような思いをしたそうです。熱を出して寝込むなど、苦労しながらの旅だったとのこと。頻発する(計画?)停電は想定内だとしても、排泄物と排気ガスが混じった異様な臭いに苛まれつつ、物乞いにしつこくつきまとわれ、路上の(狂犬病の?)野良犬に吠えられ、中国人と間違えられ現地語で罵倒され、賄賂を請求されるなど、報告者自身の言葉を借りれば「問題が多すぎてとても解決できそうもない」世界がインド・ネパール社会だとの感想を持ったようです。
 
  それでも、ネパールの首都カトマンズは、自然豊かで、接した人がみな笑顔で対応してくれて、下心もなく、飯もうまかったとのことです。ネパールでは、今年4月に発生した大震災の痕跡は随所に残っていたが、それでもネパールの人々は活気づいていた印象を持ったそうです。そんな、うれしい「誤算」もあったようです。
 
  もちろん、「インド社会」(そして「ネパール社会」も)と一言で言っても、その実相は多様であり、短期滞在でその全体像がつかめるものではないことは言うまでもありません。インドは、ブラジル、ロシア、中国、南アフリカと並んでBRICSと呼ばれる、経済成長著しい国でもあります。また元来、様々な人種・宗教・思想が入り混じった、経済指標だけではわからない、魅力で“豊かな”社会であることは言うまでもありません。ともあれ、今回のインド・ネパール旅行は、報告者にとって貴重な人生経験となったようでした。

 さて、次回(107日)の活動も引き続きインド訪問報告となります。前回の報告者とは別のTOSMOS会員が、盛りだくさんの写真を交えてながら報告します。今回の報告会とはまた違った内容の報告が期待できそうで、楽しみです。

【文責:飯島】

2015年9月23日水曜日

次回の集まりは9月29日(火曜日)です

 822日から24日に行われた、TOSMOSの夏合宿に参加した皆さん、お疲れ様でした。

 さて、TOSMOSでは今年も駒場祭企画を実施します。タイトルは「クルド人と考えるIS問題と中東の未来」です。日本に住んでいるクルド人の方に話をしてもらう講演(トーク)形式の企画を考えています。駒場祭企画の成功にむけて、皆さん頑張っていきましょう。

【次回の集まりについて】

日時:929日(火曜日)19:00から

○場所:キャンパスプラザB312(部室)
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html

事前の申し込みは必要ありません。直接に会場(部室)までお越しください。

主な内容:インド・ネパール訪問記
→9月上旬にインドとネパールを訪問したTOSMOSのメンバーが、訪問の報告を行います。

 ※なお、今後の学習会の際には適宜、学習会後に駒場祭に向けた打ち合わせも行う予定です。

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2015年7月3日金曜日

次回の読書会は7月8日(水曜日)です

TOSMOSでは、前回に引き続き7月8日(水曜日)も「読書会」をおこないます。

次回のテキストは前回に続き、ジョン・スチュアート・ミル著『自由論』(1859年)です

第2回目の今回は第3章から第5章(最終章)までを扱う予定です。

 なお、テキストは【1】光文社古典新訳文庫版(斉藤悦則訳)や【2】岩波文庫版(塩尻公明・木村健康訳)などが出版されていますが、読書会での報告は、【1】のテキストに基づいて行うこととします。

「読書会」では、報告者が要約レジュメなどを作成して報告をおこない、その後でテキストの内容をめぐってみんなで議論します。テキストの指定範囲(今回は第3章から第5章まで)を事前に読んできて頂けると、より深い議論ができるので望ましいですが、テキストを読むことができなかった場合でも参加して頂いて大丈夫ですので、お気軽にご参加ください(できればテキストは、書店や図書館などで事前に入手して、ご持参頂けると幸いです)。前回は参加できなかった方も、遠慮なくご参加ください。皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2015年7月8日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:キャンパスプラザB312(部室)
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テキスト:ジョン・スチュアート・ミル著『自由論』
※推奨:光文社古典新訳文庫版(斉藤悦則訳)

○テキストの範囲:第3章(幸福の要素としての個性)と第4章(個人にたいする社会の権威の限界)と第5章(原理の適用)

報告者:TOSMOS会員 

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【文責:飯島】

2015年6月29日月曜日

次回の読書会は7月1日(水曜日)です

 TOSMOSでは、7月1日(水曜日)には下記のとおり「読書会」をおこないます。

 「読書会」では、報告者が要約レジュメなどを作成して報告をおこない、その後でテキストの内容をめぐってみんなで議論します。

 次回のテキストはジョン・スチュアート・ミル著『自由論』(1859年)です。7月1(水曜日)におこないますので、ぜひお気軽にお越しください。また、読書会は2回に分けて開催します。1回目(7月1日開催)は第1章と第2章を扱います。第2回目(日程未定)は第3章から第5章(最終章)までを扱う予定です。

 なお、テキストは【1】光文社古典新訳文庫版(斉藤悦則訳)や【2】岩波文庫版(塩尻公明・木村健康訳)などが出版されていますが、読書会での報告は、【1】のテキストに基づいて行うこととします。

「読書会」では、テキストの指定範囲(今回は第1章と第2章まで)を事前に読んできて頂けると、より深い議論ができるので望ましいですが、テキストを読むことができなかった場合でも参加して頂いて大丈夫ですので、お気軽にご参加ください(できればテキストは、書店や図書館などで事前に入手して、ご持参頂けると幸いです)。

皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2015年7月1日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:キャンパスプラザB312(部室)
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テキスト:ジョン・スチュアート・ミル著『自由論』
※推奨:光文社古典新訳文庫版(斉藤悦則訳)

○テキストの範囲:第1章(はじめに)と第2章(思想と言論の自由)

報告者:TOSMOS会員 

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2015年6月21日日曜日

次回(6月24日 水曜日)は映画鑑賞会です

 TOSMOSでは6月24日()に映画鑑賞会をおこないます。鑑賞する映画は『ジャマイカ 楽園の真実』です。映画の上映後、上映映画をめぐって皆で議論や意見交換をします。見学自由・参加無料ですので、ぜひ、お気軽にお越しください。なお、映画鑑賞会の詳細は、以下の通りとなります。

日時:2015年6月24日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:キャンパスプラザB312(部室)
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html

事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

鑑賞する映画『ジャマイカ 楽園の真実』
・監督=ステファニー・ブラック
・時間=86分(2001年・アメリカ)

鑑賞作品の紹介  
 美しい海と陽気な国民性、そしてレゲエ音楽発祥の地としても世界中の多くの人々が楽園をイメージするカリブ海に浮かぶ国、ジャマイカ。しかし、1962年にイギリスの植民地支配から独立したこの国は、現在、IMF(国際通貨基金)と世界銀行に対して多額の負債を抱え、経済的には自立とは呼べない、先進国の属国状態に陥っていた。本作は、こうしたジャマイカの影の部分を照らし出し、それを生み出す世界経済の仕組みを暴き出していく。(「allcinema」のウェブサイトより抜粋)

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【文責:飯島】

 

2015年6月15日月曜日

次回の学習会は6月17日(水曜日)です


TOSMOSでは6月17日()に学習会をおこないます。テーマは「シリア内戦の根源と現状」です。このテーマでTOSMOSの会員が報告を行います。見学自由・参加無料ですので、6月17(水)にぜひ、お気軽にお越しください。なお、学習会の詳細は、以下の通りとなります。

日時:2015年6月17日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:キャンパスプラザB312(部室)

※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テーマ:「シリア内戦の根源と現状」

報告者:TOSMOS会員

※報告者が資料を用意しますので、予備知識なしで参加していただいて大丈夫です。

事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。参加費は無料です。

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

 

2015年5月31日日曜日

次回の学習会は6月9日(火曜日)です

 TOSMOSでは6月9日()に学習会をおこないます。テーマは「議院内閣制と三権分立」です。このテーマでTOSMOSの会員が報告を行います。見学自由・参加無料ですので、6月9日()にぜひ、お気軽にお越しください。なお、学習会の詳細は、以下の通りとなります。

日時:2015年6月9日(火曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:キャンパスプラザB312(部室)
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html

事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テーマ:「議院内閣制と三権分立」

報告者:TOSMOS会員

※報告者が資料を用意しますので、予備知識なしで参加していただいて大丈夫です。

事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。参加費は無料です。

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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さて、5月26日のTOSMOSの読書会に参加の皆さん、お疲れ様でした。とくに報告者の方は詳細な報告をありがとうございました。
 
中根千枝氏の著書『タテ社会の人間関係』をテキストに、読書会を前回の5月20日と今回の5月26日とで、2回に分けておこないました。
 
総じて言えば、日本社会の人間関係を「タテ社会」と位置づけ、西欧・中国・インドの「ヨコ社会」と対比させて、日本社会のとくに人間関係における特徴をあぶりだした本書から学ぶべき点は多々あるように思われます。日本社会に「タテ社会」がいかに日本社会の隅々まで浸透しているか。企業家から学術研究者に至るまで、その行動パターンについての個別具体的事例を多く挙げつつ展開する、著者の論調には頷かされる(あるいは、身につまされる)点も多かったです。「いかなる社会でも、その人々の社会生活が大きな支障を来さないように、一定の社会構造に支えられているものであ」り、「社会のあるところ必ず構造があ」り、その構造は抽出可能であるという、著者の学問的信念が本書において論理的一貫性をもちつつ親しみやすい事例を多用しながら開陳・展開されており、「日本論不朽の名著 読まれ続つづけて110万部突破!」という、帯宣伝文句に間違いはありません。その意味で、本書を取り上げた意義は大きいでしょう。

 本書の評価をめぐって、TOSMOSの読書会の場で様々な意見が出されました。たとえば、本書だけを読むかぎり、著者はインドのカースト間の連帯と西欧の階級的連帯とを同一視しているが、両者は質的にまったく異なるのであり、問題ではないかという意見が出されました。

 また、本書の前半で強調される、社会関係を形成する要因としての「場」と、本書の中心概念である「タテ社会」との関係がいまいち不明確ではないか、「資格」ではなく「場」を重視する社会が「タテ社会」を必ずしも形成するわけではないのではないか、という意見も出されました(合わせて言えば、「枠」と「場」との概念上の違いも不明確ではないでしょうか)。

さらに、「タテ社会」の“発生史”にも議論が及びました。著者は江戸時代から「タテ社会」があった日本の伝統とみなす分析をしていますが、明治以降の政府と農村との間で起きた激しい闘争などの社会変動を無視しているのではないか、というわけです。

 そして、著者は、日本のリーダーシップのあり様を精緻に摘出しながら、天皇(制)の問題にまったく触れていない(回避している)のはなぜか、という疑問も出されました。すなわち、「日本的リーダーは、どんなに能力があっても、他の社会のリーダーのように、自由に自己の集団成員を動かして、自己のプラン通りに、他の成員の強い意向をおさえてまでことを運ぶことはできない」(140ページ)という、本書が描く日本のリーダーの姿は、天皇制における、ある側面に肉薄しているように思われるだけに残念だ、という意見でした。

さらにまた、著者が日本社会を「単一社会」と規定している点に関して、植民地を放棄した後に形成された、極めて戦後的な、「島国日本」というイメージに(ある種無自覚に)依拠しているのではないかという意見も出されました。

ところで、本書が出版された一九六七年の日本は、高度経済成長がほぼ完了し、美濃部東京都知事が誕生した時期にありました。わたし(=飯島)は当時を知らない人間であり正確性を欠くことを恐れずに言えば、敗戦後の戦後日本の歩みが曲がり角に来ていたわけで、その時期に本書が出版された意味は大きかったと想像します。すなわち、敗戦後、戦後民主主義の旗のもと、西欧社会を手本にハード面での近代化に邁進してきた日本ですが、その「国是」がある程度達成されたうえで、そのことに対するある種の疑念が生じつつあるという、「時代」の曲がり角にあって、「人間関係」というソフト面での「異質性」に着目した本書は、その戦後民主主義に対して一石を投じる役割をはたすことになったのではないでしょうか。本書が多くの人に長く読み継がれていった理由もそこにあったように思われます。

このように、本書が展開する「タテ社会」に対する評価は微妙なものがありますが、逆に「『タテ社会』でよいではないか」と開き直り、「タテ社会」万歳を唱えたのが、八〇年代に席巻した「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の議論だったようにも思われます。しかしながら、九〇年代の平成不況以降の「失われた二〇年」を経た日本社会は、著者が分析するような「タテ社会」ではたしてあり続けているのでしょうか。「タテ社会」の特徴である、年功序列制や終身雇用制が大きく崩れて、非正規雇用が労働者の雇用形態として「定着」しつつある現在、「タテ社会」の組織を成り立たせていた根本的な“保障”が機能しなくなっているのではないでしょうか。

「タテ社会」が、良し悪しを別にして、それなりに担ってきた「社会的な包摂」が文字通り麻痺・変容しつつある今、日本社会はどこに向かおうとしているのかを、本書を契機に考えていく必要がありそうです。

【文責:飯島】