2016年6月26日日曜日

次回の活動は6月29日(水)の学習会です

 TOSMOSでは、6月29日(水曜日)には下記のとおり「学習会」をおこないます。
 学習会のテーマは「吉原からみる売春」です。学習会では報告者(TOSMOSの所属会員)による発表形式をとります。特定のテキストを取り上げる読書会形式とは異なり、テキストの指定はとくにありません。そのため、事前の準備は必要ありません(参加者各自の自由に委ねます)。詳細は下記のとおりです。
 
 皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年6月29日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テーマ:吉原からみる売春

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、問題の本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 研究対象は、国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学技術など、様々な分野に及びます。TOSMOSでは、それらの諸問題に関して、文献を読み、調べ、考え、議論します。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか? TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2016年6月18日土曜日

次回の活動は6月22日(水曜日)の学習会です

 TOSMOSでは、6月22日(水曜日)には下記のとおり「学習会」をおこないます。

 学習会のテーマは「現代宗教の社会学」です。学習会では報告者(TOSMOSの所属会員)による発表形式をとります。特定のテキストを取り上げる読書会形式とは異なり、テキストの指定はとくにありません。そのため、事前の準備は必要ありません(参加者各自の自由に委ねます)。詳細は下記のとおりです。
 
 皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年6月22日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テーマ:現代宗教の社会学

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、問題の本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 研究対象は、国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学技術など、様々な分野に及びます。TOSMOSでは、それらの諸問題に関して、文献を読み、調べ、考え、議論します。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか? TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2016年6月12日日曜日

次回の活動は6月15日(水)の映画鑑賞会です

 TOSMOSでは、6月15日(水曜日)に「映画鑑賞会」を下記のとおりおこないます。

鑑賞する映画はドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』です詳細は下記のとおりです。参加費は無料です。事前の申し込みは必要ありません。直接、TOSMOSの部室までお越しください。お待ちしております。

●映画鑑賞会

日時:2016年6月15日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

映画のタイトル:『ダーウィンの悪夢』
・監督=フーベルト・ザウパー
・時間=112分(2004年、オーストリア・ベルギー・フランス)

作品の紹介
<グローバル経済に取り込まれたアフリカの一地域で引き起こされた悪夢のような現実をセンセーショナルに描き出す衝撃のドキュメンタリー。アフリカのビクトリア湖は多様な生物が生息していたことからかつてダーウィンの箱庭と呼ばれていた巨大湖。そんなビクトリア湖に、今から半世紀ほど前、外から持ち込まれた肉食の巨大魚ナイルパーチが放たれた。ナイルパーチは在来の魚を次々と駆逐、爆発的に増殖し湖の生態系を破壊していく。しかし、その淡泊な白身は食用としてEUや日本で好まれ、湖畔の町にはナイルパーチを加工・輸出する一大産業が誕生する。しかしそこでは、資本主義の論理があまりにもむき出しのまま人々に襲いかかる──。>(「allcinema」のウェブサイトより抜粋)

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、問題の本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 研究対象は、国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学技術など、様々な分野に及びます。TOSMOSでは、それらの諸問題に関して、文献を読み、調べ、考え、議論します。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか? TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2016年5月31日火曜日

次回の活動は6月8日(水曜日)の学習会です

 TOSMOSでは、6月8日(水曜日)には下記のとおり「学習会」をおこないます。

学習会のテーマは「裁判員制度を考える」です。学習会では報告者(TOSMOSの所属会員)による発表形式をとります。特定のテキストを取り上げる読書会形式とは異なり、テキストの指定はとくにありません。そのため、事前の準備は必要ありません(参加者各自の自由に委ねます)。詳細は下記のとおりです。

皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年6月8日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テーマのタイトル:裁判員制度を考える

○テーマの内容紹介: 裁判員制度とは、特定の刑事裁判において、有権者から事件ごとに選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加するという、日本の司法制度です。2009年に施行されました。この制度の趣旨として、「裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資する」(裁判員法 第一条)ことが挙げられています。裁判への国民参加によって、司法への国民の理解と信頼を高めるという狙いがあるわけです。その一方で、「十人の真犯人を逃がすとも一人の無辜を罰するなかれ」という法格言もあり、刑事裁判において「無罪の発見」という目的も同時に満たさなければなりません。英米などの陪審制とは異なる日本独自の制度である裁判員制度を通じて、「人を裁くこと」のありかたを考えます。

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、問題の本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 研究対象は、国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学技術など、様々な分野に及びます。TOSMOSでは、それらの諸問題に関して、文献を読み、調べ、考え、議論します。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2016年5月21日土曜日

次回の活動は5月25日(水曜日)の読書会です

 TOSMOSでは、5月25日(水曜日)には下記のとおり「読書会」をおこないます。

「読書会」では、報告者がテキストについての(要約)レジュメなどを作成して報告をおこない、その後でテキストの内容をめぐってみんなで議論します。

 次回のテキストは、前回に引き続きエーリッヒ・フロム著『自由からの逃走』です。

 「読書会」では、テキストを事前に読んできて頂けると、より深い議論ができるので望ましいですが、テキストを読むことができなかった場合でも参加して頂いて大丈夫ですので、お気軽にご参加ください(できればテキストは、書店や図書館などで事前に入手して、ご持参頂けると幸いです)。

 皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年5月25日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テキスト:エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(日高六郎訳 東京創元社)

○次回(5月25日)に扱う範囲:第5章から第7章まで
 ※なお、次回で扱う章の見出しは以下のとおりです。
  第5章 逃避のメカニズム
  第6章 ナチズムの心理
  第7章 自由とデモクラシー
  ※前回の続きとなりますが、前回は参加できなかった方も、遠慮なくご参加ください。
○テキストの内容紹介:            
<フロムによれば、現代における自由の問題は、たんに巨大な機械主義社会や政治的全体主義の圧力によって、個人の自由がおびやかされているということだけではなくて、いっぽうではひとびとが求めてやまないはずの、価値としての自由が、他方では、ひとびとがそこから逃れでたいとのぞむような呪詛となりうるところにあるという。これは自由についての、フロム独特の問題提出のしかたである。>(訳者あとがきより)

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

2016年5月17日火曜日

次回の活動は5月18日(水曜日)の読書会です

 TOSMOSでは、5月18日(水曜日)に下記のとおり「読書会」をおこないます。

 「読書会」では、報告者がテキストについての(要約)レジュメなどを作成して報告をおこない、その後でテキストの内容をめぐってみんなで議論します。

次回の読書会のテキストはエーリッヒ・フロム著『自由からの逃走』です。

「読書会」では、テキストを事前に読んできて頂けると、より深い議論ができるので望ましいですが、テキストを読むことができなかった場合でも参加して頂いて大丈夫ですので、お気軽にご参加ください(できればテキストは、書店や図書館などで事前に入手して、ご持参頂けると幸いです)。

皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年5月18(水曜日)19時00分~21時00分頃まで

場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※駒場キャンパスは京王井の頭線駒場東大前駅下車すぐです。
※なお、部室(キャンパスプラザB棟3階)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テキスト:エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』日高六郎訳 東京創元社

○次回(518日)に扱う範囲:第1章から第4章(152ページ)まで
 ※なお、第5章から最終章までは次々回(525日)の読書会で扱う予定です。
  ※なお、次回に扱う章の見出しは次のとおりです。
     第1章:自由――心理学的問題か?
     第2章:個人の解放と自由の多義性
     第3章:宗教改革時代の自由
     第4章:近代人における自由の二面性

○テキストの内容紹介:            
<フロムによれば、現代における自由の問題は、たんに巨大な機械主義社会や政治的全体主義の圧力によって、個人の自由がおびやかされているということだけではなくて、いっぽうではひとびとが求めてやまないはずの、価値としての自由が、他方では、ひとびとがそこから逃れでたいとのぞむような呪詛となりうるところにあるという。これは自由についての、フロム独特の問題提出のしかたである。>(訳者あとがきより)

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】

読書会『オブローモフ主義とは何か?』報告(2016年5月11日実施)

 TOSMOSでは2016511日(水曜日)に読書会(テキスト:ドブロリューボフ著「オブローモフ主義とは何か?」)を実施しました。以下、その報告と討論の様子を簡単に紹介します。

【テキストと著者の紹介】

まず、簡単に読書会のテキストの紹介をします。テキストの著者であるドブロリューボフは1836年生まれで1861年に25歳で夭折した、ロシアの批評家です。TOSMOSの今回の読書会で使用したテキスト「オブローモフ主義とは何か?」(1859年発表)は、同じくロシアの作家・ゴンチャロフが1859年に発表した長編小説『オブローモフ』を評したものとなります。この小説のなかで、主人公オブローモフは大学で教育を受け、教養も才能もあるにもかかわらず、食べることと寝ること以外は特に何もしない怠惰な生活を送っている。その様子が描かれます。プーシキンの『オネーギン』を嚆矢とする、19世紀のロシア文学者が執拗に描いてきた、ロシア農奴制下の寄生的生活の所産である才能ある「余計者」の典型がここで描かれているのです。

【テキストの時代背景】

当日の報告では年表を使って、テキストが発表された前後のロシアの時代背景を簡単に触れました。1825年のデカブリストの乱(農奴制とツァーリズム転覆を狙った、「ロシアで最初の自由主義革命運動」。ロシアの青年将校・自由主義貴族による反乱)の後、184050年のインテリゲンツィヤ(知識人)の活動が活発化し、厳しい弾圧のもと、文学・哲学により政治批判が盛んに行われます(たとえば、西欧主義とスラヴ主義の応酬など)。そして1861年に農奴解放令が出たあと、187080年代に「ヴ・ナロード(人民の中へ)」のスローガンのもとに、農村共同体のなかに分け入りナロードニキ運動が展開されるものの、ほどなくして挫折。ニヒリズムとアナーキズムが蔓延して、アレクサンドル2世の暗殺へといたります。こうしたなか、ロシアは本格的な資本主義の時代へと入り、特に1890年代にはヴィッテ蔵相のもと資本主義化・工業化が推進されます。そして、1898年にマルクス主義者を中心にロシア社会民主労働党が結成されて、次世紀初頭のロシア革命へといたるわけです。

テキスト「オブローモフ主義とは何か?」はアレクサンドル2世治下で農奴解放令が出される2年前の1859年に発表されます。それは同時にロシアが資本主義化・工業化する前夜に発表されたことにもなるでしょう。著者ドブロリューボフは「農民革命による社会主義社会を目指した」とされますが、ロシア社会に確固として根づいている農村共同体といかに向き合うかが問われた時代でもあるでしょう。以上、時代背景についていくぶん長く説明したのも、テキストそのものがきわめて「時代の書」であることも考慮したからです。

【「オブローモフ主義」者の特徴】

さて、「生ける現代のロシア人のタイプ」とされる「オブローモフ主義」とは何でしょうか。著者はその特徴を「地上に生起するすべてのものにたいする無関心から生まれる、完全なる無気力にある」という、知的な精神的発達の状態に起因するものだと規定します。「みずからの努力によらず、他人の努力によっておのれの希望を満足させようとする、いとうべき習慣が――彼(オブローモフ)のなかに無関心な不精さを発達させ、彼をみじめな精神的奴隷状態におとしいれたのである」と説明されます。そこには己を意味たらしめる「実生活」そのものの欠如があります。「彼ら(「オブローモフ主義」者たち)にとって生活上の必要物ともなり、心から神聖なものとなり、宗教ともなるような仕事、彼らの肉体と有機的にむすびついて成長し、それをとり去ることが彼らの生命をうばうことを意味するような仕事が彼らの生活のなかになかったことである。彼らにあってはすべてが外面的であり、何ものも彼らの天性のなかに根ざしていない。」と、著者は「オブローモフ主義」者の思想と行動の特性を摘出してみせます。

さらに、ドブロリューボフ自身の言葉を拾って「オブローモフ気質」の輪郭の明確化を試みますと、「オブローモフ主義」者は、「手段を目的に適応させる能力」がなく、「自分が何をすることができ、何をすることができないかをよく判定すること」ができず、「まわりのすべてのものにたいする自分の本当の関係を理解」することや、「世間や社会にたいする自分の関係をあきらかにすること」、そして「生活のなかに目的を見」て、「適当な事業を見だすこと」、「自分たちは多くのことをなしうるかもしれないが結局は何もしないでおわるだろうという意識」から抜け出すができないと、まとめることができるでしょう。

そこから脱するためには、著者自身の言葉を使えば、「ことばによってではなく、頭と心と手とをともに動かす、現実の行動をする」ことであり、「自分たちをおしつぶそうとしている環境との、おそろしい、命がけのたたかいの必然性の自覚に徹」すること、「(自分にとって)生活上の必要物となり、心から神聖なものともなり、宗教ともなるような仕事、彼らの肉体と有機的にむすびついて成長し、それをとり去ることが彼らの生命をうばうことを意味するような仕事」にとりかかる必要があると言えるでしょう。

【このテキストを選んだねらい】

以上、テキストの内容を概観しました。ここで、テキストの発表から約150年後の現代の日本社会に生きるわれわれにとって、このテキストの持つ意義について考えてみたいと思います。当日の読書会の場では、一番多く出た感想として、「自分もまたオブローモフ主義者ではないか。」「オブローモフ気質の記述を読んで、わが身にひき比べて、他人事ではなく、文字通り身につまされた。」「オブローモフは私自身だ。」などがありました。

わたし(飯島)がこのテキストを提案したのも、「オブローモフ主義」をわが身にひつけて考えることで、現代における日本の学生にとっても、大学での学問・研究をおこなうにあたって、その姿勢を自省するきっかけとして示唆に富む文献であると考えたからでした。いわば「オブローモフ主義」を“反面教師”とするかたちで、自分と社会や世間そして時代といかにきりむすび、生活に根付いたかたちで目的を設定し、その実現のために手段を取捨選択し、人生という“事業”の達成のために邁進していけばよいのか。そのことを自省する一助となるのではないか。その姿勢は大学での学問・研究態度にも通じるのではないか。それが、いささかナイーブかもしれませんが、このテキストを選んだねらいでもありました。

 【著者は誰にむけて何のために書いたのか】

 ところで、当日の読書会では、ドブロリューボフは「オブローモフ主義」者の“更生”の可能性が問題となりました。はたして、オブローモフ主義者は「オブローモフ主義」を脱して、広い意味での社会の変革者へと生まれ変わることができるのか、という問いです。岩波文庫版の訳者である金子幸彦の「解説」(岩波文庫に所収)には、次の一節があります。すなわち、「ドブロリューボフは農民革命を組織し指導すべきインテリゲンツィヤの役割を重視する。したがってその役割をはたしうるのはもはや貴族インテリゲンツィヤではなく、これに替わって登場した平民階級のインテリゲンツィヤである。」と。
 
 その指摘を踏まえて、発言者のひとりは、「ドブロリューボフは、「オブローモフ主義」に蝕まれた貴族インテリゲンツィヤにもはや期待せず、新しく登場した「オブローモフ主義」の害悪から相対的にまぬがれている平民階級のインテリゲンツィヤたちにこそ語りかけているのではないか。」と意見を述べました。「だから、フランス革命の余波を受けつつ、近代化・資本主義化・工業化への時代へと進展することによって、貴族インテリゲンツィヤは消滅しようとしているのであり、それは同時に「オブローモフ主義」の消滅を意味している」というわけです。
 
 わたし(飯島)は、「それでも、ドブロリューボフは、『オブローモフ』の登場人物であるシトーリツという男性やオリガという女性の存在に着目することで、彼らのような他者との交流を通じて、主人公が「オブローモフ主義」から脱することに著者は期待していたのではないか」と応じました。それに対して、「オリガ自身が時代の変革者になる可能性があったとしても、まちがってもオブローモフ自体には著者(ドブロリューボフ)は何も期待していない。」との答えが返ってきました。読書会当日はそのあたりで時間切れとなりました(わたし自身の思い込みもあり、意見交換を正確に再現できているかどうか自信はありませんが)。

 以下、後日わたし(飯島)が考えたことを書きます。仮に「オブローモフ主義」者が自然消滅するのであるならば、そもそも著者は「オブローモフ主義」を執拗に論じた「オブローモフ主義とは何か?」を書く必然性はないわけです。なぜなら、彼らは放っておいても、自動的に崩壊するのだからです。それでは、なぜ著者はこのテキストを書いたのか。その動機が気になります。ドブロリューボフの真意について確証を得ているわけではありませんが、平民階級のインテリ層を読者として想定して書いたということは、“敵”である貴族インテリ層は「オブローモフ主義」に毒されていて、自動的に消滅していくのだから、「貴族インテリ層は“敵”として怖れるに足りず。自信をもって政治活動すべき!」という、(裏の)メッセージを発したとも考えられます。ただし、これはわたし自身の過剰な深読みかもしれませんが。

 ところで、前述の金子幸彦の「解説」には、「彼らの存在そのものも一つの社会的抗議の意味をもっていた。」との記述があります。なぜ「オブローモフ主義」者の言動が「社会的抗議」を帯びるのか、その理由をわたしにはまだ理解できていません。テキストをもう少し読み込むことが大切であると同時に、同じ岩波文庫に所収の、ドブロリューボフの評論「その日はいつ来るか?」もあわせて検討する必要がありそうですが、その点については今後の課題としたいと思います。

 【まとめ――この読書会の意図】

 以上、読書会の模様のまとめを試みました。最後になりましたが(最初に書くべきことだったかもしれませんが)、この読書会の意図に触れたいと思います。そもそも、「いかに学ぶか」という問いは「いかに生きるか」という問いと直結します。生きるという営みのなかに学問的営為を含ませることが大切です。TOSMOSでは、今回、その意義を再考するきっかけとなればと企図して、このテキストの読書会を実施しました。この読書会が、各参加者にとって、己の立脚点を定める一助となるような、学問・研究のオリエンテーションの場となったならば、読書会の当初の目的は達成できたのではないかと思います。今後もTOSMOSでは読書会や学習会などを通じて、現代社会を読み解くスキルを身につけていけるような活動をおこなっていきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

【文責:飯島】

2016年5月4日水曜日

次回の活動は5月11日(水曜日)の読書会です。

  TOSMOSでは、5月11日(水曜日)に下記のとおり「読書会」をおこないます。

「読書会」では、報告者がテキストについての(要約)レジュメなどを作成して報告をおこない、その後でテキストの内容をめぐってみんなで議論します。

次回のテキストはドブロリューボフ著「オブローモフ主義とは何か?」(岩波文庫)です。なお、読書会で扱う範囲はテキスト全部(岩波文庫版で5ページから84ページまで)となります。

「読書会」では、テキストを事前に読んできて頂けると、より深い議論ができるので望ましいですが、テキストを読むことができなかった場合でも参加して頂いて大丈夫ですので、お気軽にご参加ください(できればテキストは、書店や図書館などで事前に入手して、ご持参頂けると幸いです)。

皆さんのお越しをお待ちしております。

日時:2016年5月11日(水曜日)19時00分~21時00分頃まで
場所:駒場キャンパス内のキャンパスプラザB312(部室)    
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html
事前の申し込みは必要ありません。直接、会場(部室)までお越しください。

テキスト:ドブロリューボフ著「オブローモフ主義とは何か?」(『オブローモフ主義とは何か?他一篇』岩波文庫 金子幸彦訳に所収)

○テキストの内容紹介:<オブローモフ。教養ある貴族インテリゲンツィア。高い理想を口にしながら自らは行動せず、無関心、そして怠惰。コンチャロフの小説「オブローモフ」をとりあげて当時のインテリに共通の気質をえぐり出す。農民革命による社会主義革命をもたらすべく精力的に文筆活動を行なったドブロリューボフ(18361861)の代表的文芸評論。>(岩波文庫表紙カバーより)

報告者:TOSMOS会員

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。

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【文責:飯島】

学習会「シリア内戦終了後の中東」報告(2016年4月27日実施)

 TOSMOSでは2016年4月27日(水曜日)に学習会(シリア内戦終了後の中東――次のリスクとしてのトルコ内戦)を実施しました。以下、その報告の要約を試みます。  

 はじめに、TOSMOSの会員でもある報告者は、まずシリア内戦の終結が間近に迫っているとの認識を示し、内戦終結後の中東情勢をクルド勢力の動向を中心に、シリア、イラク、リビア、サウジアラビア、トルコなどの関係各国の内情に目を配りつつ、IS(ダーイッシュ、イスラム国)の脅威が消えたのちの中東の安定化の可能性を見定めることを報告の目的として設定しました。

 同時に、シリアのクルド自治政府が連邦制の施行を宣言(2016年2月初旬)するなか、トルコのエルドアン政権がクルディスタン労働者党(略称:PKK)との交渉を一方的に打ち切り軍事的解決に乗り出す事態にもなっています。そのことが「トルコ内戦」の危機を意味しているのだという指摘にもつながっていきます。  

 このように、総じて当日の報告は、中東におけるクルド人勢力の伸張と、シリア内戦の間近に迫った終結と、さらにトルコ内戦化の危機を見通した内容になっていました。

  まず、報告者はシリアの国内情勢に絡んで、自由シリア軍などの、シリアの「反体制派」の信頼性が失墜している事実に触れます。この間、欧米メディアは「反アサド」の情報ならなんでもよいと、「反体制派」寄りの姿勢をとってきました。しかし、ここにきて、「反体制派」の政治的素質に疑問符がつきつつあります。在英組織「シリア人権監視団」や亡命シリア人グループ「ラッカは静かに虐殺されている」(略称:RBSS)などの活動は、ISの没落以後、PKKのネガティブキャンペーンに終始しており、国際社会での信頼をじきに喪失するだろうと報告者は予測します。

 そして、報告者はISの介入によるリビア内戦の激化についても疑問符をつけます。そもそもISの資金源がイラクやシリアの国庫からの流用に依存していましたが、クルド人民防衛隊(略称:YPG)勢力の拡張によって、やせ細っています。現在、リビアでは国連主導の和平交渉が準備されており、これが流産することがなければ、リビアでのISの居場所は失われるであろうと予測します。

  さらに、イラクでは、IS掃討が進んでいるものの、アバディ内閣の政治力の弱体化や、イスラム主義政治指導者のムクタダ・サドルの巻き返しなどがあり、イラク国民の統合までには至っていません。報告者は、仮にIS掃討が成功しても、各政治勢力が分立するイラクにおいて、その後も試練は続くとみています。イラクが国家として一体性を保ちつつ、地方の独立性も担保するには、連邦制がより現実的ではないかと報告者は問います。

  一方、サウジアラビアはどうでしょうか。近年、サウジアラビアは、イエメンへの介入失敗に象徴されるように国際社会からの信頼が失墜しつつあります。さらに、2015年10月にIMFから5年以内に資産準備消失の予測を受けています。ISの外国人傭兵に占めるサウジアラビア人の割合が高いだけに、サウジアラビアの国庫消失はイスラム主義による国際テロ組織の弱体化につながるでしょう。
 
  他方、トルコでは、イスラム主義者による有力なテロ組織も確認されず、これまで比較的安全とされてきました。しかし、昨年からテロが報じられるようになり、治安の悪化が指摘されています。トルコが「次の動乱の中心」になるとの見方もされています。経済の低迷に喘ぐエルドアン政権は国内政治の困難を回避するために、PKKを挑発する挙に出ています。また、クルド系政党への選挙妨害もおこなわれています。そのため、クルド人の多いトルコ・アナトリア南東部の各地では、トルコ政府側の横暴に対して抗議運動が起こりましたが、これに対して、トルコ政府は外出禁止令で応えました。

 また、トルコに関係する懸念として、ISに関係したイスラム主義者のトルコへの流入もあります。彼らは対クルド対策のための傭兵として投入されていると考えられます。これは、トルコ内戦への予兆として注目されます。エルドアン政権はトルコ国内のクルド人を激しく弾圧する一方で、ISに対しては穏健的な態度をとっていることは、「エルドアンはISの味方だ」という国際社会の世論づくりを後押しする形になっています。トルコ軍や治安当局による、クルド人への弾圧の苛烈さを示す映像や画像がじわじわと増えており、トルコ当局に対する国際社会の不信が広がっています。逆にいえば、在トルコ・クルド人の、国際社会における政治的な正当性が高まっているといえるでしょう。

  最後に中東情勢全般を見てみましょう。中東が「混沌化」するのは、中東の問題の根源を理論的に分析し、その解決のために実践的に取り組む勢力が見当たらないからだと、報告者は指摘します。そして、報告者は中東の混沌を「かつての中国」と重ね合わせます。すなわち、辛亥革命後の軍閥が割拠していた頃の中国を連想するのです。中国には毛沢東という、最終的に戦乱を終わらせた“赤い星”がいました。翻って、現在の中東には「毛沢東」に該当する“星”は存在するのでしょうか。

  報告者は、数少ない「中東の希望」として、クルド人の手による、世俗化を通じた民主化運動に希望を託します。つまり、今後の中東で最も可能性が高く、かつ中東情勢を再編させる出来事として、クルド人(クルディスタン)の独立が挙げられるのです。しかし同時に、報告者はアラブ人自身もまた変わる必要があることも付け加えます。具体的には、PKKの指導者オジャランが唱えている「民主的連邦制」です。これが「中東民主化のモデル」として、クルド人のみならず広くアラブ人の間にも波及していくのかどうか、注視していきたいところです。その点も報告者がクルド人勢力の伸張に期待する理由となっています。

  以上、私(飯島)が理解した学習会当日の報告の概要になります。私は中東情勢を理解することの難しさを痛感しているところですが、中東各地に散らばるクルド人勢力の動向(独立運動)を軸に中東情勢を切り込むならば、意外に簡潔に情勢分析ができるのではないかと思いました。もちろん、クルド人の独立に大いに期待したところですが、今後もクルド人を先頭にした中東のさらなる民主化が期待できるだけに、私たち日本人にもクルド人国家成立後の中東情勢のなかでいかに振る舞うかが問われているのではないでしょうか。報告者は中東情勢を引き続きウオッチしていくとのことですので、報告者の今後の研究をTOSMOS全体としてサポートしていきたいと思います。

【文責:飯島】

2016年4月25日月曜日

次回の学習会は4月27日(水曜日)です

 TOSMOSのサークル・オリエンテーションや新入生歓迎企画にお越しいただいた皆様、まことにありがとうございました。TOSMOS会員一同、皆様とまたお会いできることを楽しみにしております。
 
 さて、新歓企画終了後、TOSMOSでは、週1回程度のペースで学習会・読書会を行っていく予定です。

 次回のTOSMOSの活動は、427日(水曜日)に実施する、シリア内戦終結後の中東――次のリスクとしてのトルコ内戦」と題する学習会となります(詳細は下記をご参照ください)。
 

 次回の学習会のテーマである中東情勢は、様々な要因が複雑に絡み合いながら展開されていて、一見すると先行きが不透明な印象を持ちます。しかし、報告者はシリア内戦の終結を見据えて、トルコ内戦の開始を予期しつつ、複雑な中東情勢の今後を読み解きます。この機会に、中東情勢を中心に、今後の世界秩序のあり方について一緒に考えてみませんか。

 なお、TOSMOSの学習会は、報告者による報告のあとに、皆で議論するかたちをとります。議論における発言は任意なので、ぜひお気軽にお越しください。
 
 では、ご来場のほど、何卒よろしくお願いいたします。
 
次回の学習会の詳細
○日時:
4月27日(水曜日)19時00分から(学習会は20時30分頃まで)
※なお、学習会の終了後に、次の回の学習会の予定等について相談をおこないます。

○テーマ:
シリア内戦終結後の中東――次のリスクとしてのトルコ内戦

○報告者:
TOSMOSの会員

○会場:
駒場キャンパス内・キャンパスプラザB312号室(B棟3階)の部室
※なお、部室(キャンパスプラザB棟)へのアクセスについては、下記のリンク先の地図を参考にしてください。
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_43_j.html

○内容紹介:
シリア内戦の「泥沼化」という、よくなされる指摘とは裏腹に、反体制派に対する政治的・軍事的包囲や、イスラム国の打倒の動きは加速しています。こうしてシリア内戦が終結すれば、シリア内戦に関係した各国こそ、次のリスクになるのではないでしょうか。シリア内戦の終結という間近に迫った情勢を出発点にして、中東の今後について探ります。

○報告レジュメの掲載URL:
https://docs.google.com/document/d/1MpeL8Z4XNh4d5WUv3sIwuBuwqJU0v5A1qMusBGdZMjs/edit?pref=2&pli=1

※当日の報告では、時間の都合上、報告レジュメの内容の全てにはふれませんので、よろしければ、上記のURLに掲載している報告レジュメに事前に目を通してきて頂けると、より理解を深めることができると思います。


○参考資料:
http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/18/syria-war_n_9260648.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
「シリア内戦はもはや泥沼化していない 今起きているのは...」

※事前の申し込みは必要ありません(見学も自由です)。直接、会場(部室)までお越しください。参加費は無料です。

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 TOSMOSは、現代社会の様々な問題について、その本質を究明し、解決の道筋を考える東京大学の学術文化系サークルです。
 国際情勢、国内情勢、政治、経済、科学、生命倫理など、さまざまなテーマに関して、学習会、読書会、合宿などを通じて理解を深める研究活動をしています。もし多少でも興味がありましたら、一度わたしたちの活動を見学してみませんか?TOSMOSでは現代社会について一緒に研究する新入会員を募集しています。
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【文責:飯島】