2012年10月6日土曜日

次回の学習会は10月10日(水曜日)です。

  9月25日から26日まで催された、一泊二日の現代社会研究会の秋合宿に参加された会員の皆さん、お疲れ様でした。今年の秋合宿は一泊二日の日程でしたが、会外の他大学の学生の方も今回参加してくれるなど、とても充実したものになったかと思います。

秋合宿の第一日目は「安楽死(そして尊厳死)」をテーマに、読書会(使用テキストは保阪正康著『安楽死と尊厳死 ――医療の中の生と死』講談社現代新書)と学習会(課題テキストを設けない自由形式の報告会)とを行いました。第二日目は「(日本の)貧困問題」をテーマに、読書会(使用テキストは阿部彩著『子どもの貧困 ――日本の不公平を考える』岩波新書)と学習会(課題テキストを設けない自由形式の報告会)とを行いました。

秋合宿の第一日目の「安楽死」をテーマとした学習会では、「死の自己決定権は認められるか?」というお題をもとに、参加者が「賛成・反対」の2チームにわかれて、ディベートを行いました。ディベートの結果は僅差で「賛成」チームが勝ちましたが、白熱したやり取りができたのは大きな収穫です。

誰でもいずれは死に直面します。あくまで本人の意思を尊重すべきとの意見に賛同する方も多いかと思いますが、医療の急激な進歩のなかで、意思の尊重をどこまで貫くことができるのか、難しい問題です。また、「本人の意思尊重」と並んで「苦痛からの解放」も大きな争点になるでしょう。さらに、「死」とは「心臓死」をもって判断すべきなのか、「脳死」をもって判断するべきなのか。「東洋的死生観」までもが絡むとされるだけに、十分な議論が尽くされているとは言い難いのが、日本の現状ではないでしょうか。

しかし、日本では2009年に臓器移植法改定によって脳死は一律に人の死とされるというように、法律上では決められてしまっています。その点からも、非自発的安楽死が強制的に、もしくは周りからのプレッシャーにより、高齢者や末期症状の患者に対して行なわれるのではないかとの懸念も報告者からなされました。
 
「安楽死・尊厳死」は、わが現代社会研究会における今年の駒場祭の公開発表のテーマでもありますので、引き続き取り組んでいきましょう。
 

なお、秋合宿第二日目の読書会と学習会は「(日本の)貧困問題」でしたが、その模様は、後日当ブログにて紹介いたします。

さて、次回日程(駒場祭に向けた学習会)のお知らせです。学習会のテーマは、秋合宿に続いて、「安楽死」です。先述のとおり、当サークルの駒場祭企画のテーマでもあります。駒場祭まで時間が迫ってきています。皆様の奮ってのご参加をよろしくお願いします。
 
〇日時:10月10日()18:30~
〇場所:キャンパスプラザB312(部室)
〇学習会のテーマ:安楽死について
〇参加費:無料

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【文責:飯島】