2013年1月14日月曜日

次回の学習会は1月18日(金)14時からです

 現代社会研究会(現社研)の皆様、1月10日(木曜日)の学習会はお疲れ様でした。特に、報告者の方はご苦労様でした。

今回の学習会では、山中伸弥氏のノーベル生理学・医学賞受賞で一層注目が集まった「再生医療」ですが、その手法のひとつである多能性幹細胞の仕組みを理解すると同時に、生命倫理面からの検討を加えました。

多能性幹細胞としては、ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)などが挙げられます。これらの技術開発により、長足の進歩を遂げる再生医療ですが、生命倫理の面で懸念が残ります。ES細胞を樹立する場合には、受精卵ないし受精卵より発生が進んだ胚盤胞までの段階の初期胚が必要となりますが、受精卵を材料として用いることに生命倫理上の問題が生じます。そのため、ES細胞をめぐる倫理上の問題を乗り越える技術として注目されているのが、iPS細胞です。しかし、同性愛者間での妊娠・出産の是非や、同一人物の細胞から精子と卵子をつくり受精させて出産させることが可能となってしまうのではないかとの懸念がなされています。

このような問題を抱えつつも、移植のために人工的に臓器(肺・腎臓・脳など)をつくる技術開発は、従来の臓器移植をめぐる生命倫理上の諸問題をクリアするなど、大きな期待が寄せられています。心筋梗塞、脊髄損傷、火傷、骨折・関節症、筋ジストロフィー、糖尿病、腎不全などの治療にいかに効率的に活かすかをめぐる技術開発の「ロードマップ」を鑑みると、5年〜10年後には医療の様相を大きく変え、わたし達を取り巻く社会の在りようまでをも大きく規定していくのではないかと思われます。

いま、iPS細胞の実用化のために「iPS細胞バンク構想」が始動しようとしています。第三者から体細胞の提供を受けて、iPS細胞をあらかじめ作製し、備蓄・保管しておく体制づくりが今後要請されることでしょう。
 
現社研としても、再生医療をめぐる動向には今後も注視してきたいです。

  さて、次回の学習会のテーマは「道州制」です。
 
 国・都道府県と地方自体というヒエラルキーのなかで生じる無駄な二重行政をなくし、地方自治体が高コスト体質を脱却し、低コストでかつ軽いフットワークの実現のための手段として、道州制の導入に対して大きな期待が寄せられています。橋下徹・大阪市長の持論である「大阪都構想」もその動きの一環だと考えられます。
 
 しかしながら、はたして、道州制によって、地域の実情にあった多様な自治の形態を導入することが可能なのでしょうか? 公務員の大幅削減による余剰人員については、どうするのでしょうか? 本当に道州制だけで、膨大だとされる負債を清算できるのでしょうか? 
 
 道州制をめぐる様々な動きを俯瞰しつつ、その意義と問題点を明らかにして、<自治>のあるべき姿を参加者みんなで議論します。

 なお、次回の学習会(道州制について)は、報告者から報告をした上で、参加者全員で議論する予定です。そのため、参加者はあらかじめ指定された文献を事前に読んでくる必要はありません。奮っての参加をお願いします。



テーマ:道州制について

 
日時:1月18日()14時00分から
※開始時刻にご注意ください!!

場所:キャンパスプラザB312(現社研の部室 キャンパスプラザB棟3階)

〇参加費:無料


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【文責:飯島】