2013年10月7日月曜日

次回の現社研の学習会は10月9日(水)です

現社研の秋合宿について
 (次回の現社研の学習会の詳細はこの文章の末尾に明記しました)

 現社研は、9月23日と24日の日程で一泊二日の秋合宿を、埼玉県立加須元気プラザでおこないました。秋合宿に参加された皆さん、お疲れ様でした。

 秋合宿では、現社研の駒場祭企画である「教育」をテーマに学習会・討論をおこないました。

秋合宿の第一日目で、報告①「戦後の教育制度を概観する」と報告②「親や家庭環境が教育成果に及ぼす影響」のふたつの学習会をおこないました。

報告①では、まず日本の戦後の教育制度の主な変遷(1945年から2010年代)を辿りました。そして「教育を受ける権利」をめぐる法的論点を整理しました。つまり、「教育を受ける権利」をめぐる法的論点と判決について学習しました。わたしは、教育権の所在の項で「国家教育権説」「国民教育権説」との拮抗が興味深かったです。前者は、学校教育の内容の決定権は国家にあるもので、その根拠を議会制民主主義に求める。後者は、国家機関の決定権を原則的に否定し、親とその信託を受けた教師を中心とする国民全体にあるとするとのことです。

判決については、旭川学力テスト事件最高裁判決(1976年)、伝習館高校事件最高裁判決(1990年)、第一次教科書検定訴訟判決(1993年)などが紹介されました。

報告②では、まず「学力」とはなにか?その定義づけをおこないました。そして、教育の質を効果的に高めるために、心理学の知見を参照しつつ、家庭環境の影響が欠かせないとします。つまり、家庭内の親と子との対話にもとづく信頼関係の構築がその後の学習を効率よく進めるキーになるわけです。「〔親は〕子どもの言葉を繰り返すことで、きちんと聞いて貰えているという安心感を与え、まだ結論を強要しないことにより、子どもを一個の人格として認め、勉強は自分の意志によるものだと思わせること」を提案します。

最後に、貧困の再生産の問題に言及しました。すなわち、貧困家庭は時間的・経済的・能力的な弱者であるため、子どもに満足な教育をすることができない⇒その子どもは低学歴になる⇒その子どもが生んだ子どもがまた貧困で低学歴になる、という悪循環です。

だから、報告者は次のように結論づけます。「子どもの学力は、家庭要因に大きく左右される。しかし、『子どもは親を選べない』、ゆえに社会全体の人材育成のためには、学校教育の全般的な充実だけでなく、経済的・社会的に不利な家庭で育てられている子どもたちに対する直接的な支援策が必要。」となり、より具体的には「家庭環境の改善」がなされるべきだとの提言をおこないました

合宿の二日目では、参加者みんなで教育をめぐるディスカッションをおこないました。お題は「いじめ・体罰・ゆとり教育」でした。この模様は、後日活字化して、駒場祭当日に現社研の会場にてお配する予定の冊子に掲載する予定です。

秋合宿についての報告は以上です。
                    
次回以降も教育をテーマに学習会を続けていきます。次回は下記のとおりです。

〇日時:10月9日()18:30~

〇場所:キャンパスプラザB312(部室)

〇学習会のテーマ:ソ連における青少年の教育

          (クループスカヤの場合)

〇参加費:無料

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【文責:飯島】