東大現代社会研究会(現社研)の皆さん、6月27日の読書会はお疲れ様でした。テキストは小松美彦氏(東京海洋大学教授)の『脳死・臓器移植の本当の話』でしたが、いかがだったでしょうか?報告者の方、お疲れ様でした。
さて、次回は「『違法ダウンロード』の罰則化について」というテーマで学習会を行います。
ご承知のように、6月20日、改正著作権法が国会で成立しました。この改正によって、インターネットの動画投稿サイトや掲示板、ファイル交換ソフトなどに掲載されている音楽や映画などのファイルを、「海賊版」と知りながら音楽や動画をインターネットからダウンロードする行為に「2年以下の懲役、または200万円以下の罰金」を科すことができるようになったのです。従来までは違法動画を配信した人だけに罰則が課せられていましたが、今回の改正によって、違法動画などのコンテンツをダウンロードした人に対しても罰則が課せられることとなりました。
改正著作権法は、6月15日に議員立法として法案が国会に提出され、「税と社会保障の一体改革」の陰で、20日に開かれた参議院本会議で改正著作権法が可決・成立してしまいました。まさに、僅か5日間でスピード成立だったのです(今年の10月1日から施行)。
「無料で音質のいい音楽が手に入るので、CDを買うのがばからしくなった」との声が巷から聞かれる今日この頃ですが、今回の法律改正の背景には、海賊版のファイルの流通が一向に減らない現状があるとされています。しかし、この事由だけによって法改正の正当化は可能なのでしょうか。捜査権の乱用や法律の恣意的な運用を危惧する意見も出てきています。私たちの生活にはもはやコンピューターは欠かせないだけに、今回の法改正が私たちの生活に及ぼす影響も大きいのではないでしょうか。
次回の現社研の学習会が、コンピューターと私たちの暮らしとの間での望ましい関係をいかにして築くことができるのか、さらに望ましく快適なネット社会のあり様とはどのようなものなのか、などについて再考する機会となれば、と考えています。
次回の現社研の学習会は、報告者から報告をしたうえで、皆で議論する予定です。以下が詳細です。そのため、参加者はあらかじめ指定された文献を事前に読んでくる必要はありません。ただ、各人の問題意識から様々な文献を読んできて参加するならば、当学習会で得られる成果は等比級数的に増えることでしょう(笑)。奮っての参加をお願いします。
【文責 飯島】
記
○テーマ:「違法ダウンロード」の罰則化について
○日時:7月3日(火曜日)18:30〜
※先週(水曜日)とは異なり、火曜日になりますのでご注意ください。○場所:キャンパスプラザB312
※現社研の部室 キャンパスプラザB棟3階312室
※東京大学駒場キャンパス(京王井の頭線駒場東大前駅下車)
〇参加費:無料
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